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リハビリの世界の話を患者さんやそのご家族、またこれからリハビリに興味を持ちたいかたなど、リハビリの専門家ではないかたにも読んでいただけるようわかりやすいことばでブログにしてみました。趣味の話も少々。                    (旧タイトル・理学療法士板東蓮三郎の視点論点)

片麻痺の口の中②

前回の続き
 介護の本の、片麻痺のかたの口の中の症状の記載について気になった私は、大きな書店で他の介護関係の本の食事介助について書かれている部分を片っ端から読んでみました。
片麻痺のかたの口に食物を運ぶときは健側から。また患側に食物が残ることがある。」と記載があるものでそのようになる理由を「半側空間無視があるから」と挙げているものがありました。
 しかし挙げていないものもあり、やはり「片麻痺の人は手足の片側に麻痺が出ると(自動的に)同じ側の顔にも麻痺が出る」と読めてしまう本がいくつかありました

 こんなにはっきりと本に記載されていると「片麻痺の麻痺症状のでかたは首の上と下では別」という私の認識は間違っているのだろうか、最近はこのように教えることになっているのだろうか、と調べてみたくなり、何人かの人に意見を求めることにしました。

 嚥下機能のリハビリもおこなう「言語聴覚士」の制度ができる前からフィーディングエクササイズ feeding exercise(嚥下のリハビリ)に興味を持って力を入れ、現在は大学教授になっている作業療法士の友人は、やはり「片麻痺で顔に麻痺が出るのは、片麻痺と同時に顔面神経麻痺が起きている場合。片麻痺と顔面神経麻痺は別のもの。」という意見でした。
 また私の勤める老人ホームに「口腔ケア」の講演をするために来所した近くの病院の言語聴覚士の女性(この人は言語聴覚士の養成校に進む前は私たちの老人ホームの介護職員だったかたでした)にも意見を求めてみました。
 彼女も上記の作業療法士と同じ「片麻痺と顔面神経麻痺は別のもの。」という意見でしたが、「顔面神経麻痺が片麻痺に併発することはけっこうある。しかし必発ではない。」と教えてもらいました。

 これらの話から、福祉の本に記載すべき正確な内容は「片麻痺の人は顔面神経麻痺も併発することがある。その場合、食物が口の中にたまったり口の端からこぼれ落ちることがある。」という表現になるのではないかと思います。この場合理屈では顔の麻痺が現れるのは、半側空間無視の要素を別にすれば、手足の麻痺のある側と同側とは限らないことになります。

 著者が、解剖学をきちんと勉強してきていない人が読むにはかえってわかりづらくなってしまうために、複雑さを避けるため敢えて難しい表現を避けて、今発刊されている本のような表現にしているのかもしれません。
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