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リハビリの世界の話を患者さんやそのご家族、またこれからリハビリに興味を持ちたいかたなど、リハビリの専門家ではないかたにも読んでいただけるようわかりやすいことばでブログにしてみました。趣味の話も少々。                    (旧タイトル・理学療法士板東蓮三郎の視点論点)

脳卒中のリハビリの実技指導で

 理学療法士の養成校の3年のときに、脳卒中のリハビリについて学ぶ科目がありました。座学の講義だけでなく実習室での実技の講義もありました。
 実技のとき講師の先生は、ふだん勤務している病院で先生の下で働いている若手の理学療法士を助手として連れてきていて、助手の先生は講師の先生と同様に学生の間を回って指導したり、模範演技をしたりしていました。

 ある実技の講義のときは、女性の先生が助手として来ていました。
 脳卒中になると上肢の筋肉は関節を伸ばすほうに働く「伸筋」よりも、曲げるほうに働く「屈筋」のほうが緊張がたかくなることが多く、肘の関節を曲げ、手指の関節も曲げ、手(前腕)全体を胸の前に張り付けるような脳卒中独特の形に向かっていく傾向が強くなります。
 このような傾向が出始めた上肢に対しておこなう手技の指導を受けていたときのことです。
 講師の先生が説明し、助手の先生が治療者の役をおこない、患者の役には同級生の中からK君が指名されました。
 右麻痺の想定のK君が治療台に腰掛けて座っている右側に、助手の先生がベンチ座りのように並んで座り、肘を伸ばし手首をそらしたK君の手を助手の先生が右手で受けて胸の前で構え、「はい、この手を遠くに押して!」と声をかけ、手のひらで受けたK君の手のひらで遠くに押させています。
 回りで見ていた学生のうち、特に男子学生の多くは、K君の右肘が助手の先生の胸にまともに当たっていることにどうしても注目してしまいます。

 皆、考えていることは同じだったようで、講義が終わったあと、皆はK君を取り囲み、「Kちゃん、先生の胸、感じちゃわなかったかよ?」と問いつめるとK君は「もろに感じちゃったよ。そっちのほうに神経が行っちゃって、話、何だかわからなかったよ。」と赤くなっています。

 脳卒中の患者さんにこの手技を使う場面が出てくると、必ずこのときのことを思い出します。
 厳しかった勉強の中で思い出すちょっと笑っちゃった懐かしい思い出です。
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