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リハビリの世界の話を患者さんやそのご家族、またこれからリハビリに興味を持ちたいかたなど、リハビリの専門家ではないかたにも読んでいただけるようわかりやすいことばでブログにしてみました。趣味の話も少々。                    (旧タイトル・理学療法士板東蓮三郎の視点論点)

半身不随

 私は「半身不随」ということばの意味を、この世界に入るまで、いえ、入ってからもしばらくの間は勘違いしていました。
 「半身不随」とは、パラリンピックに出てくる人のような両足が麻痺していて車いす生活になっている人のことだと思い、脳卒中で右半身麻痺とか左半身麻痺になっている片麻痺の状態も「半身不随」であるとは認識できませんでした
 昭和50年代前半の、まだパソコンは登場しておらずワープロが一世を風靡していた頃、ワープロのインストラクターが脳卒中で片麻痺になった人にワープロの講習をしている場面を見学する機会がありましたが、その場面を見ても、ただ「お身体が不自由なんだ」と思うだけでその身体の状態が病気によるものだというイメージを持つことができず、「半身不随」にも結びつきませんでした。
 理学療法士の養成校に入り、脳卒中の話題に触れる機会がふえ、リハビリ助手として実際に脳卒中の後遺症の患者さんに直接接するようになってもまだその認識は変わりませんでした。

 あるときテレビで高齢者と若い人の討論番組をやっていました。
 テーマは「老人はなぜそんなに病院にいくのか」で、当時高齢者の医療費が政策的に無料だったこともあり、病院の待合室はどこもお年寄りのサロンと化していることが社会問題となっていた時期でした。
 討論に参加している高齢者の中に非常に元気な男性がいて、「若いみなさんは『どこかにかわいい子はいないか』と思って盛り場に行くでしょ。私たちだって『どこかにかわいいおばあちゃんはいないか』と思って病院に行くんだ。」と言ってみんなを笑わせていました。
 この元気なおじいちゃんが「みなさんは私のことを元気な年寄りだと思っていますか?そうじゃありません。脳卒中の後遺症で半身不随になって・・・」と話し始めて「えーっ!」と周囲を驚かせました。  
 これを聞いてやっと脳卒中の片麻痺も「半身不随」であると認識するようになりました。
 左右の片側に麻痺があると言っても不全麻痺でそれなりに動く人がいて、見た目ではこの人のように元気にも見えることがあるのですが、よく考えてみれば紛れもなく「半身不随」です。
 本当にどんくさくセンスの鈍い理学療法士です。
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