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リハビリの世界の話を患者さんやそのご家族、またこれからリハビリに興味を持ちたいかたなど、リハビリの専門家ではないかたにも読んでいただけるようわかりやすいことばでブログにしてみました。趣味の話も少々。                    (旧タイトル・理学療法士板東蓮三郎の視点論点)

あこがれの老後

 いま勤めている老人ホームに入居している90代半ばの男性多部さん(仮名)は、T字杖1本あればフロアの中を自由に歩き回れる人がいます。トイレもご本人の行きたいときに行くことができます。
 ただしみんなでソファーに座っているときに、職員が目を離すと隣に座っているおばあさんの服の中に手を入れたりします。
 職員がそれを見つけると、もしおばあさんのご家族がその場面を見たらどう思うか、という考えからすぐにやめさせることになります。
 しかし多部さんは笑っちゃって少しも悪びれていません。またやられているおばあさんも嫌がっていません。おばあさんに聞くと、「多部さんはいい人だからいいんだ。」と言っています。
 多部さん、ずいぶん得な性格のようです。

 もう一人、ときどき老人ホームのショートステイを利用しに来る男性浅井さん(仮名)は、杖もなく自由に歩いています。
 他の利用者と将棋をさしたり、ソファーに座り持参した文庫本を寡黙に読んでいたりします。
 トイレも一人で行き、食事に時間には一人で食堂に現れます。
 先日初めて浅井さんが98歳だと知り驚きました。
 最高齢なのに一番手がかからなくて本当にすてきなおじいさんです。

 もしあの年齢まで生きちゃうとしたらあのようになりたいなあと思うおじいさんたちです。

 その一方で自分で潔く人生の幕を引いた人もいます。
 関西に住む私の知り合いの竹井さんご一家(仮名)のおじさんは大きな会社の監査役をしているようなかたでした。
 いつも穏やかで遊びに行くと夕食後「ちょっと仏さんとお話ししてきます。」と言って仏壇に向かって座禅を組んでいました。また経済的に支援をしていた画家が描いた絵が玄関に掛けられ、「これは私のお気に入りの画家の絵です。」と得意げに話しておられました。
 その竹井さんのおじさんが晩年肺ガンで倒れてしまいました。
 最期が近づき病院に入院したとき、残された病弱の奥様や娘さんたちの負担にならないようにと考えられたようで、身体についている点滴のチューブ類等を「どうしてこんなことするんだ」といって自分で全て引き抜き、その翌日に亡くなったそうです。あの穏やかなおじさんがそんなことするのか、と思いました。

 その場になればなかなかできないことだと思いますが、こうありたいと思います。
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