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リハビリの世界の話を患者さんやそのご家族、またこれからリハビリに興味を持ちたいかたなど、リハビリの専門家ではないかたにも読んでいただけるようわかりやすいことばでブログにしてみました。趣味の話も少々。                    (旧タイトル・理学療法士板東蓮三郎の視点論点)

管楽器と適切な距離②

 リハビリの現場でも管楽器と同様な配慮が必要な場面があります。

 私が現在訪問リハビリで担当している利用者の中に、在宅酸素療法を受けている人がいます。
 この人に、効率のよい酸素摂取ができるように呼気(吐く息)に抵抗をかけるため、口すぼめ呼吸の練習をしたり、吹き戻しを使って呼吸訓練をしてきました。
 若いときに自衛隊で起床ラッパを吹く係をしていたという話が出たので、トランペットのマウスピース(歌口)を使ってラッパを吹く方法での呼吸訓練をしてみようと考え、いまマウスピースを手配しています。
 私も私の楽器のマウスピースを持参し、一緒におこなうことになります。

 これらのことをおこなうと飛沫が飛散することは避けられません。
 どうしたら飛沫の飛散させずに訓練をできるか、検討しているところです。
 オーケストラでの実験のデータも参考になりそうです。
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管楽器と適切な距離①

 いま世界中で芸術文化活動が苦境に立たされています。
 そんな中でドイツのオーケストラ「ベルリンフィル」がオンライン等で活動をおこなうにあたり、楽器の配置について奏者の間の「適切な距離」を試行錯誤したことが新聞に載っていました。
 弦楽器・ピアノ・打楽器は今までと同じ1・5メートルでよいが、管楽器は飛沫があるので5メートルあいだを開けたそうです。これはいつもはすぐ隣に座っている人の音がそこには聞こえず大きく離れているので、とても集中力が求められる作業だったようです。
 それぞれが音を出している集団の中で、自分の出している音が適切だろうか、というアンテナがより高い感度が求められる状態になってしまうのです。

 ベルリンフィルに限らずベルリン中のオーケストラが大学病院と協力し、新しい演奏会のルールづくりに取り組んでいると記事に書かれていました。
 いま世界中のオーケストラや音楽大学、音楽関係者がこの問題に取り組んでいるのだろうと思います。クラシック音楽に限りません。

 私はいま、自宅以外で管楽器を吹くことはほとんどないのであまり関係ありませんが、これからは管楽器にはこのような配慮が不可欠になり、このような実験のデータが活用されるのだろうなと思いました。

思いやり

 美容院を経営していた私の母は、週のうちの6日間仕事をしている自分の状態を「私はかごの鳥だ。」とストレスを訴え、定休日には家族を顧みることなく「豪遊(私にはそう見えた)」していました。
 そんな母が晩年、からだが弱って寝たきりになったことは、母にとっては想定外でストレスそのものであったに違いありません。自分の殻に籠もってうつが進み、認知症になっていきました。

 新型コロナウイルスの流行による影響で外出自粛が要請が続き、多くの人がストレスを強いられている最中の新聞の投書欄に掲載された、対照的な2つの投書に目が止まりました。

 1つは、週に1回は映画館で映画を見ていたという60代の男性のもの。「家では集中できず、テレビやスマホの画面ではなく映画は大きなスクリーンで見てこそだ。」と述べています。

 もう1つは50代の女性からのもの。彼女の友人の女性は病を患い、最低限の買い物と病院への通院以外は外出できず、今回の外出自粛要請を「大変な試練を課せられた被害者のように言う人が多いが、私はもう10年以上もそんな生活を強いられている。」と話している、そんな彼女に公から心を癒す策が講じられたり、世間からいたわりの言葉がかけられることもない、と外出自粛の状態がこの友人にはいつもの「日常」である様子が述べられています。

 健康な人は弱くなってしまった者のことを思いやることは、本当にはなかなかできないのだなあと身につまされながら、この2つの投書を読みました。

フレンドリーな警官

 一週間のうちのある曜日に、訪問リハビリの仕事をしていていて一つの訪問先から次の訪問先へ自転車で移動する途中、その地区選出の国会議員の地元の事務所の前を通ります。
 その国会議員は現在大臣をやっており、事務所の前に大臣や要職のときに置かれる警官ボックスが設置され、いつも警官が一人立っています。
 そこの前を通ると大抵は「不審なやつはいないか」とこわい顔をした警官が立っているのですが、警官の中にはとてもフレンドリーな感じの人もいて笑顔で「こんにちは」と声を掛けてくれる人がいます。
 もちろんそのようにフレンドリーに声かけをしながらも通る人の様子を観察しているのでしょうが、そのように声をかけてもらうとこちらも嬉しい気持ちになって思わず「こんにちは」と返してしまいます。
 そんなことがあるから、そこの前を通るときはいつも「今日はどんなお巡りさんがいるかな。」と思いながら通ります。

 先日そこの前を通ったとき、その日の警官は近づいても何も言わない感じがしたのでそのまま通り過ぎようとしたら、直前まで来たとき「こんにちは」と声をかけてきたので、思わず「お疲れさまです。」と応えてしまいました。

 こんなやりとりができたときは心が温まるので、その後の仕事もほっこりした気分でおこなうことができます。

オンラインのリハビリ訓練

 先日、新型コロナウイルスにかかって重症になると、回復したあとリハビリが必要になる。しかしリハビリの担当者も感染のリスクもあるので注意が必要になる、という話を掲載しました。

 その後のテレビのニュースで、東京都内のある大学病院で、スタッフの感染リスクを軽減するためにタブレット等を使用し、リモートでのリハビリをおこなっているところがあることを知りました。
 筋力回復のための運動や体力回復のための有酸素運動をしている様子が紹介されました。これらの運動によって、汗を流す爽快感や心の癒しが得られ、リハビリの時間を楽しみにしてくれている患者さんもそうです。

 患者さんに自宅でおこなってもらう自主トレーニングの方法を指導すると、いつの間にか楽な方向へ流れ、指導した通りの方法ではおこなってもらえていないことが多いことをふだん私は実感しています。
 そのまま続けておこなっていると、期待する効果が十分得られないことも考えられ、その意味でリハビリの仕事は機械にとってかわることのできない直接触れておこなうことが望ましい仕事だと考えていました。

 しかし今回のような感染リスクも考えなければいけないときには、直接触れなくても正しい運動方法がおこなえるようなわかりやすい方法でおこなうように配慮することで、双方向でコミュニケーションできるオンラインのリハビリ訓練は有用なツールになると思いました。

保健所の機能不全

 数日前の新聞で、保健所で勤務していた看護師の女性からの投書に目が留まりました。

 彼女が20年前に看護学校の学生だったとき、学校では「感染症の時代は終わり慢性疾患の時代になった。」と教わったそうです。
 しかし保健所で仕事を始めてみると、感染症の時代は全然終わっておらずむしろ感染症の対応に多忙で、予算の追加を求めても逆に毎年予算も人も削減されてしまいました。
 今回のコロナ禍で保健所の業務が機能不全に陥っているのは、彼女が見聞きしてきた事実と無関係とは思えない、というものでした。

 現場のことをよく知らずに本当に大切なことが何かを見誤り、誤った認識を振りかざして政治や行政をおこなって必要な予算を削減し、保健所等の機能を縮小したりすると、そのつけは今回のような危機のときに如実にあらわれてくるのですね。

コロナ後にリハビリ

 多臓器の同時移植手術を世界で初めて成功させ、ニューヨークのトップドクターと言われているコロンビア大学医学部外科の加藤友朗医師が、ご自身が新型コロナウイルスに罹患したときの話を、先日テレビにリモート出演して話しておられました。
 前日までふつうに生活していたのに突然全身に強烈な筋肉痛が襲い、シャワーを浴びるだけでも呼吸困難になったそうです。その後発熱し、検査で陽性の診断が出て入院をしたところ、その後意識がなくなるほど重篤になり寝たきりで記憶もないまま3週間推移し、意識が戻りコロナの症状が軽快しても歩く筋力がなく、リハビリをしないとふつうの日常生活動作もおこなえないほどになっていたそうです。
(クモ膜下出血以外にも脳梗塞脳出血が起きていた例もあるそうです。)
 また危機を脱してもその間にクモ膜下出血が起きまた腎不全も発症していたそうで、肺炎では説明のつかないいろいろな後遺症があることに加藤医師のような人までもが驚いておられ、新型コロナウイルスには絶対にかかってはだめだと強調しておられました。
 またコロナにかかった別の人は、鼻から入ったウイルスで脳に髄膜炎が起こり脳の一部がダメージを受けたため、ここ1~2ヶ月の記憶がなくなり勤めていた会社の名前や場所がわからない、という人もニュース番組で紹介されていました。

 どんな疾患でも長期臥床後は硬くなった関節を解消し、落ちた筋力を取り戻すところからリハビリを始めなければいけません。
 コロナ罹患後は、その他にも現れた症状に応じてやらなければならないリハビリがいろいろありそうですが、その間も患者さんがコロナを再発症する可能性も考え、細心の防御をしながらのリハビリになってしまいそうです。

訪問リハビリは不要不急?

 新型コロナウイルスの流行で不要不急の外出の自粛が求められています。
 いま私が勤めている訪問リハビリの会社でも、私たちが感染元にならないようにマスクの着用や手指の消毒など細心の注意をして訪問していますが、訪問先の施設が外からの訪問者を止めているためにリハビリが休止になっているところがあります。
 個人の訪問先でも「コロナが怖いから落ち着くまでお休みさせて」とリハビリを休まれているかたがいます。

 利用者やそのご家族からそのようなご要望があればもちろん私たちはそのご要望に沿うのですが、ご家族の中で「リハビリは続けてほしい」という意見と「この時期リハビリは来なくていい」という意見に分かれていて、訪問リハビリ反対のご家族が「もし来たら『来るな』と言ってやる」と怒っているから今はお休みにさせてほしい、と訪問に来てほしいご家族から会社にお電話をいただいたこともあります。

 たしかに訪問リハビリは病院でおこなわれる医療行為に比べれば、緊急性は高くない場合が多いですが、利用者の中には定期的なリハビリを実施しないと心身の機能の低下が避けられない人もいます。
 再開したとき、関節が硬くなっていないかな、筋力が落ちていないかな、歩けなくなっていないかな、ととても気がかりです。
 今回の事態は本当に残念ですが、今は誰もが感染が怖いのでしかたがありません

こうていえき

 今回の新型コロナのためにお店からマスクや消毒液がなくなって、私もたびたびドラッグストアにかよっては探し求めています。
 そんな行動の中で、店内をつぶさに見て回っていて、初めて知ることがありました。

 元気を回復させるために飲むドリンク剤でタモリさんも宣伝している「ユンケル黄帝液」という商品があります。何となく「元気になるために皇帝が飲むほど効き目のある飲み物」というようなイメージをもっていました。
 ところが同じコーナーに並んでいる他社の商品で「甦逞液」と書かれているものがあり、この字を見ていて、そうか「逞しさが甦る薬」というのが商品本来の意味だったんだ、と合点がいきました。
 ドラッグストアでのこんな発見が、勉強になり、新たな知識になっていくものなのですね。

 「こうていえき」には家畜の伝染病の「口蹄疫」もあり、これもこの機会に調べて勉強になりました。

BCGの思い出

 新型コロナウイルスが世界中で蔓延し多くの死者が出ていますが、日本の死者の数が少ないのは世界から見た驚きとなっているそうです。
 その原因についていろいろな説がある中に、日本はほどんどの人がBCGを受けているから、というのがあるそうです。

 私がBCGを受けたのは小学校1年生のときです。
 学校の検診で受けたツベルクリン反応が陰性と判定され、結核に対する免疫がないから、とBCGを接種する人に振り分けられてしまったためです。
 小学2年で偽陽性、3年で陽転しツベルクリン反応を受けなくていいことになったのを嬉しく思ったことを覚えています。

 私が受けた昭和40年代前半のころのBCG注射は、現在のようなスタンプ式ではなく、1本の針の注射器でうつものでした。
 私はもっと小さい子供の頃から、注射で泣くことなく我慢できる子だと親から評価されていました。
 このBCGを受けるとき私の2人前に受けた富坂くん(仮名)は完全に泣き出していました。1人前の子もかなりつらそうな様子を見て、自分の順番が迫ってくることに激しく緊張感を感じたことを覚えています。
 左の肩に注射針が刺されるとすぐに激しい痛みが押し寄せてきました
 何とか我慢しようとこらえたものの、もう少しで声が出そうになりました。声が出る寸前で針が抜かれ終わりになりました。

 今までの人生の中で強い痛みを経験したのは、アシナガバチに刺されたとき、肛門の手術を麻酔なしで受けたとき、耳鼻科で蓄膿を排膿するために鼻の中に注射針を刺されたとき、耳鼻科の手術の術後の処置を受けたとき、といくつかありますが、BCG注射は小学1年の出来事なのに、あまりに痛かったのが忘れられません。
 半世紀以上前のBCG接種で今も身体に結核菌や他の病気に対する免疫が残っているかはわかりません。
 BCGが本当に新型コロナウイルスの重症化の予防に有効だとしたら、あのときの痛みを経験したことが役に立っているんだなあと左の肩の注射のあとに触れて有り難く思えます。
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