リハビリの世界の話を患者さんやそのご家族、またこれからリハビリに興味を持ちたいかたなど、リハビリの専門家ではないかたにも読んでいただけるようわかりやすいことばでブログにしてみました。趣味の話も少々。                    (旧タイトル・理学療法士板東蓮三郎の視点論点)

政治家理学療法士

 現在国会議員になっている理学療法士は参議院に1名、衆議院に1名おります。リハビリの世界で起こってくる声を国に届けるのに、私たちの業界団体の同志が議員としていることはありがたいことです。

 先日インターネットのニュースで「26歳のモデルが大阪府議会議員の補欠選挙に立候補」という見出しに目が止まりました。
 イタリアの国会議員チチョリーナみたいな人が日本でも現れたのか、というスケベ心が起こったからです。
 読んでみると彼女は本業は理学療法士で、その傍らモデルとしての活動もされておられるのだそうで、医療現場で感じた問題点などを変えていけるような志をもたれ、立候補を表明されたのだそうです。
 ニュースになるには記事のライターや読者の目がどうしてもモデルのほうに行ってしまいますが、いろいろに目立って政策の実現に生かしてほしいものです。
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お盆休み

 病院に勤務していたころ、お盆が近づくと患者さんから「病院のお盆休みはいつからいつまでですか?」と毎年のようによく聞かれました。
 開業の医院に休みがあるのだから病院も休みがあるのではないかと思ってしまうかたがいるようです。
 開業している医院では多くのところで「お盆休み」があるようですが、都会の公的病院でお盆に休むところはありません

 私の子供時代、両親は東北地方の父の郷里にお盆の帰省をする習慣がなく、鉄道や高速道路などの交通機関の帰省ラッシュとは無縁で過ごしました。
 学生時代にアルバイトをしていた建設関係の会社でお盆のお休みがあったものの、社会人となってからは会社員時代も、病院に勤めているときも、老人施設に移ってからも「お盆休み」の恩恵に浴したことがありません。
 お盆休みの習慣があるかたにとっては、家族皆で会いたい、親に会うのは当たり前、その時期に休まないと家族揃って顔を合わすことができない、という気持ちから帰省ラッシュを押しても故郷に帰ると考えるのでしょうが、親がお盆の帰省の習慣を持ち込まないでいてくれたお陰で(ただ貧しかったから帰省ができなかっただけなのですが)、帰省ラッシュを経験せずに済んでよかった、とほっとしています。

 先日、明日からお盆休みという日の夜から顔が痛くなってしまいました。風邪をひいたときにときどきおこる習慣性の蓄膿症(術後性嚢胞)です。
 いつも受診する耳鼻咽喉科はもうお休みでまだ休んでいます。この時期に開いている耳鼻科は非常に遠く、大きな病院に予約なしで長く待たされて高額の選定療養費を支払ってでも受診するほどの大きな病気でもなく、かといって頬には顔を上げていられないほどの痛みはあり、突然の有給休暇を1日とって症状が治まるまで市販薬をのんで横になっているしかありませんでした。
 開業医院など同じ業界が一斉にお盆休みに入るのはちょっと考えものです。

耳つぶれ

 テレビでボクシングやレスリング、相撲などの競技を見ていると、ときどき耳の形がつぶれた競技者をみることがあります。
 これらの競技の格闘家は顔を打たれたり、耳をマットや土俵等に押しつけられたりしているうちに、耳の柔らかい部分がつぶれた形に変形してしまうのです。

 老人施設の仕事をしていて格闘家と同じように耳の形がつぶれているお年寄りに遭遇することがよくあります。
 女性の高齢者にも見られ、その人たちがかつて格闘技をやっていたのではなく、寝たきりで横向きに寝かされた(側臥位)ことによるものです。
 寝たきりのかたは布団と接する身体の下側の部分にかかる体重負荷により、床ずれ(褥瘡)ができやすくなってしまいます。
 褥瘡をおこさせないために、仰向け(仰臥位または背臥位)のほか右向きに寝たり左向きに寝たりなど寝るときの姿勢を時間によって周期的に変える「体位変換」が行われます。
 横向きに寝かされるとき、その大事な目的は腰部や背部に褥瘡を起こさせないこと、あるいはできてしまっている褥瘡をさらに悪化させないようにすることなので、枕が当たる耳にはあまり注意が払われていません
 本当は枕の形や材質、耳と枕の当たり具合まで配慮するのが完璧な介護なのかもしれませんが、もっと重要な腰背部の褥瘡対策が優先され、そこまで配慮することはなかなかできないようです。

おしゃれな杖は・・・

 先日朝日新聞の「元気のひけつ」というコーナーで「おしゃれな杖」が取り上げられていました。
 最近杖は、ちょっと足が疲れたときにもあると歩みが楽になるので、高齢者だけでなく幅広い年齢層の人たちが使うようになり、いろいろな人が使いやすいように、杖本体がカラフルな色や模様になっているものや、しゃれたデザインの持ち手のものが増え、いろいろな場面での使いかたを楽しめるよう1人で2~3本持っている人も珍しくないのだそうです。

 以前ここでも書いたことなのですが、持ち手がきゅっと曲がっておしゃれな形になっている杖を使えるのはやはり歩きに余裕がある人なのだと私は思います。
 持ち手がカーブしていると、カーブの外側が手のひらの狭い部位に集中的に当たるので、杖に体重をゆだねて長く歩くうちにだんだん手のひらが痛くなってきます。
 また人差し指から小指までの4本指は、カーブの内側に置かれるうちにそのカーブのために4本指が真ん中に集まるように力が入り続けるので、指と指の間がぶつかってやはり痛くなってきます。

 足の負担を減らすために杖に体重をあずけて長く歩くのであれば、持ち手はある程度太さがあって弾力のある素材のまっすぐに近い形のものか、人間工学的に手のひらの形を考慮した形のもの(この場合右手用と左手用は別のものになる)が私はお勧めです。

日常生活動作に制限

 ここ数日腰痛に悩まされていました。
 今までにも何度も腰痛にはなってきましたが、今回はくしゃみをしても響く感じで、今までとは少し違うように感じていました。
 やっと和らいできたところをみると「ぎっくり腰」だったのかもしれません。
 勤め先の職員を相手に「腰痛対策講座」をおこなっていた身としては、恥ずかしい限りです。
 ただ腰の周囲の筋膜リリースをおこなったあたりからだいぶ改善してきたので、やはり筋膜リリースは有効なのだと思いました。

 腰痛があって意外にも困ったのが、排泄時に腰を丸めてふつうの方法でお尻を拭けなかったことです。
 以前痔瘻になったときに、肛門周囲の痛みのために、立ったり座ったりはもちろんのこと、寝返りもうつことができずに困ったことを思い出しました。
 こんな所の痛みでこんな日常生活動作が制限をされるのだなあとショックを受け、リハビリでのより緻密な日常生活動作の評価が大切なことを改めて認識させられるとともに、患者さんのつらさも本当には理解できておらず、自分が身体を痛くしないとわからないものなのだなあとまた情けなくなりました。

見た目

 私がリハビリ助手として東京の病院に勤めていたときのことです。
 先輩の理学療法士が新たにリハビリを始めることになった患者さんを病棟の患者さんの病室に見に行き、しばらくしてからリハビリ室に帰って来ました。
「80歳のおじいさんがここ(リハビリ室)を見に来たでしょ。」
というので、
「いえ、来てませんよ。60歳くらいの黄色いジャージを着たおじさんなら入り口にふらっと入って来たけど。」と答えると、「あっ、その人だよ。」というので、「えーっ、あの人80歳?!」となりました。見た目が極端に若いのです。いつまでも若々しくていいなあと感じました。

 しかし極端に若く見えると思わぬ苦労を背負い込むことがあるようです。
 以前新聞の投書欄に、優先席に座らせていた自分の母親の外見が極端に若く、明らかに母親よりも若い元気な年寄りから何度も嫌みを言われ、争いごとの嫌いな母親はそのたびに席を立ち、母親が気の毒で悔しい思いをしたという中年の女性からの投書が載っていました。

 最近読んだ投書は今は70代となっている女性からのもので、20代でリウマチを発症し、全身の痛みで立つこともままならない身体で通院のために乗車したバスに座っていると(特にシルバーシートとか優先席という記載はありませんでした)、50代の数人の女性客から、「若いくせにずうずうしい」と言われ、病気のことも言えずに涙を流すと、「泣いているわよ。悔しいのかしら。」とか「これだけ言われても席を譲れない。」と言われたというものでした。
 この投書者は現在はお元気になられ、バスに乗車するときには、どうしても立っていられない身体の不自由なひとが前方の席に座れるよう、できるだけ奥の席に座るようにしているそうです。
 人は自分かわいさのために、見た目で判断して残酷になれてしまうことがあるものなのですね。

筋膜リリースとヨガ

前回の続き
 竹井仁先生の「筋膜リリース」の講習を受けたとき、先生から「筋膜リリースをやっていると代謝がよくなって痩せる」という話がありました。
 筋膜リリースでは、ねらった部位の筋膜を広い範囲で20秒以上伸ばし続けるように指導を受けました。実際、そのようにしていくつかの手技の実技を終えたとき、まだ肌寒い3月でしたが身体がポッポと熱くなって、代謝が活発になっているのがわかりました。そして「これはヨガに似ている」と感じました。

 「ヨガ」はインド発祥と言われ、「〇〇のポーズ」という名前のついたいくつものポーズをおこなううちになぜか痩せられる、という何だかよくわからない神秘的な感じの運動、というイメージを持っていました。
 筋膜リリースではリリースをおこなうことで筋膜の状態が変わっていく様子を超音波(エコー)検査の画像から知り、ヨガと筋膜リリースでは同じ原理のことを、一方は「不思議な感じ」で、もう一方は「科学的根拠に基づいて」おこなっているように感じました。
 ヨガもいろいろと研究され、実際にはいろいろな科学的根拠が得られていたのかもしれませんが、広く伝わっている神秘的なイメージを持ったままきてしまっていたのかもしれません。

 先日イタリアのチームで活躍されているサッカーの長友選手が、自身の身体がけがをしにくくなるようにに活用したヨガをテレビの番組の中で芸人に指導していました。そこで話された内容は筋膜リリースの話と似ていました。
 また長友選手が出されたヨガの本も目を通してみたのですが、本の中に出ていたポーズの中には、(竹井先生の本ではない)筋膜リリースの本の中で紹介されていた手技と同じ形のものもありました。
 これからはヨガも筋膜をリリースしているんだ、と思いながらやればいいし、理学療法士はヨガをやっているつもりで、一生懸命筋膜リリースに取り組めばいいんだなと思いました。

筋膜リリース

 最近テレビや雑誌などマスコミで「筋膜リリース」がよく取り上げられて、書店には著者の異なる複数の「筋膜リリース」の本が並んでいます。
 特に理学療法士で「筋膜博士」といわれる首都大学東京の教授の竹井仁先生をよくテレビや雑誌で見かけます。
 数ヶ月前、この竹井先生による講習を受講する機会があり、実技も体験してきました。

 筋肉を包んでいる筋膜は、生活の中で身についた姿勢や動作に影響されて筋肉上で寄り集まってしわになるなどして均一でない状態になることがあり、これが痛みやこりの原因になる。 筋膜リリースをおこなうと均一でない状態が改善され、症状を軽減・解消することができる。 このことは超音波(エコー)検査の結果からも裏付けることができる、とのことでした。

 講習の前に読んだ竹井先生の著書の印象では、筋膜リリースは一種のストレッチではないかと思っていました。
 講義の中で、ストレッチは前後方向にだけ筋肉を伸ばすが、筋膜リリースでは筋膜を前後・左右・斜めの各方向に伸ばすと説明があり、実際に指導に従っていくつかの方法を体験してみると、ねらった部位を効果的に伸ばすことができるよう、身体の姿勢や動かしかたが工夫されていることがよくわかりました。
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